「AIがどんどん賢くなっているけど、プログラミングの仕事って、将来なくなるんじゃないか」
「AIが全部やってくれたら、システムエンジニアの仕事って、無くなってしまうんじゃないか」
新聞やニュースから流れてくる、すごいAIの話をきくと、こんな気持ちになったりしませんか?
AIが自動でコードを書いたり、ウェブサイトをデザインしたり、そんなニュースを目にすると、不安になりますよね。30年前には、AIはSF映画の中だけの存在でした。今は私たちの生活や仕事に深く関わっています。
でも、安心してください。
結論から言うと、
「AIによって仕事がなくなる」のではなく、
「AIを使いこなせる人が、AIを使えない人に差をつける時代になる」ということです。
この記事を最後まで読んで頂くと、AIがなぜSEの仕事を奪うと言われるのか、そして、AIに仕事を奪われないために、今から何をすればいいのかを分かるようになります!
なぜAIに仕事を奪われるか?
AIがシステムエンジニアの仕事を奪うと言われる理由は、AIの持つ「すごい能力」にあります。
①AIは「超高速」でコードを書けるから
AIは、人間が数時間、数日かかるようなプログラミングの作業を、瞬時に終わらせることができます。
しかも、膨大なデータを学習しているので、人間が思いつかないような効率の良いコードを書くこともあります。
② AIは「ミスなく」作業できるから
人間はどんなに集中しても、小さなミス(タイポや単純なバグ)をしてしまうことがあります。
でも、AIは疲れ知らずで、一度決めたルールに沿って正確に作業を進めることができます。
これにより、システムの品質を一定に保つことができます。
③AIは「膨大な知識」を持っているから
AIはインターネット上の膨大な情報(プログラミング言語の仕様書や、過去に書かれた大量のコード)を学習しています。そのため、何かプログラミングで困ったことがあれば、まるで賢い先生のようにすぐに答えを教えてくれます。
このようなAIの能力を見ると、
「SEの仕事って、AIに全部取って代わられるんじゃないか…?」と不安になるのも無理はありませんよね。
AIに奪われた仕事とは?
「AIに仕事を奪われた」と聞くと、なんだか怖いイメージがあるかもしれませんが、すでに身の回りには、AIが効率化してくれた仕事がたくさんあります。
例1)問い合わせ対応
かつては、企業のウェブサイトの「よくある質問」のページは、人が一つずつ回答していました。
しかし、今はAIチャットボットが質問に自動で回答してくれるので、企業はより効率的に顧客対応ができるようになりました。
例2)データ入力
大量の書類やデータをパソコンに手で入力する作業も、AIが文字を読み取るOCR(光学的文字認識)技術によって、自動化されることが増えました。
例3) 工場での単純作業
自動車工場などでは、AIを搭載したロボットアームが組み立て作業を正確に、高速で行っています。これも、かつては人が行っていた仕事がAIに置き換わった例です。
プログラミングの世界でも、AIは単純なコードの自動生成や、バグ(プログラムのミス)を検出する作業など、「定型的で単純な作業」をすでに代行し始めています。これは、「仕事がなくなる」のではなく、「人間がより創造的で、高度な仕事に集中できるようになった」と捉えることもできるのです。
AIに仕事を奪われると、どうなるか?
もしAIがどんどん進化して、今SEがやっている仕事の一部を奪っていくとしたら、僕たちの仕事はどうなるのでしょうか?
①SEの仕事が「高度化」する
AIが単純なプログラミングやテスト作業を自動でやってくれるようになると、人間はもっと「AIにはできない仕事」に時間をかけられるようになります。下表は、AIにはまだ難しい、人間ならではの創造的な仕事です。
企画力 | お客様の「本当にやりたいこと」を深く理解し、AIを使ってどう解決するかを考える |
判断力 | AIが生み出したコードが、本当に正しいか、安全かを判断し、責任を持つ |
マネジメント能力 | 複雑なAIシステム全体を設計し、人間とAIが協力して働くチームを導く |
②新しい仕事が生まれる
AIの進化によって、「AIを管理する仕事」や「AIと人間をつなぐ仕事」など、今はない新しい仕事がたくさん生まれてきます。例えば、AIが正しく働くように学習データを準備したり、AIが生み出した結果をチェックする専門家など、新しい役割が必要になるでしょう。
皆さんは、今から25年前の西暦2000年になるときに、IT業界は大騒ぎになったことをご存じでしょうか?
昔のコンピュータは、”年”が2桁しかないので、「99年」の次が「00年」になってしまい、全世界のコンピュータが誤作動してしまうっ!っといった問題で、カウントダウンのタイミングは皆が固唾をのむというちょっとしたお祭り騒ぎがあったのです。
でも裏を返して考えてみると、新しい技術の「コンピュータ」が社会に浸透した結果、生まれた、新しい仕事でした。AIも同じように、たくさんの新しい仕事を生み出すはずです。
AIに仕事を奪われないための3つのこと
では、AIが当たり前になる未来で、SEとして活躍し続けるためには、今から何をすればいいのでしょうか?
①「技術の勉強」をやめないこと
AIは、僕たちの仕事を奪う「敵」ではありません。むしろ、最強の「相棒」です。
AIを使いこなすためには、まずAIの仕組みや、AIが使えるプログラミング言語(Pythonなど)を学ぶ必要があります。AIをうまく指示し、AIが書いたコードをチェックできるだけの技術力を持つことが、これからのSEには不可欠です。
【具体的な行動】
・AIの仕組みを解説した本や記事を読んでみる
・Pythonなどの言語を学び、AIが書いたコードを読んでみる
・ChatGPTのようなAIツールに、プログラミングに関する質問をしてみる
②「人間にしかできないこと」を磨くこと
AIには真似できない、人間ならではの能力があります。
コミュニケーション能力 | お客様の本当の気持ちや、チームメンバーの考えを理解する力は、AIにはまだ難しいです。 |
企画力・創造性 | 何もないところから新しいアイデアを生み出す力は、人間ならではの強みです。 |
責任感・倫理観 | AIが間違った判断をした時に、最終的な責任を取れるのは人間だけです。 |
③変化を「楽しむ」こと
AIの進化は、まさに僕がSEになった頃のIT革命と同じです。社会の仕組みが大きく変わる時代に、変化を恐れるのではなく、「新しい時代が来たぞ!」とワクワクしながら楽しむ姿勢が大切です。
「新しい技術は何だろう?」
「これをどうやって仕事に活かそう?」
常に好奇心を持って学び続けることが、AIに仕事を奪われるのではなく、AIと共に成長していくための鍵になります。
【まとめ】AIは最高の相棒!未来を創る仕事は、これからもSEの役割だ
AIは、システムエンジニアの単純作業を代行してくれる、最高の相棒です。
AIの登場によって、SEの仕事は「コードを書くこと」から「AIを使いこなし、人間にしかできない高度な仕事に集中すること」へとシフトしていきます。
AIの力を借りて、より安全で、より便利なシステムを創り出し、社会を豊かにしていく。
そんな「未来を創る仕事」は、これからもシステムエンジニアが担っていく役割です。
もしITエンジニアという仕事に少しでも興味を持ったら、まずは小さな一歩を踏み出してみましょう。
AIと友達になることから始めるのも、いいかもしれませんね。